今思えば、私が一番楽しかったのは高校時代。
なんか、根拠のない無敵加減が毎日をキラキラと輝かせていた。
大学生になり現実を知り、就職して、結婚して今も楽しく暮らしているがドラマがあったのはあのころだった。
そんな楽しい思い出と共に、わがまち保土ヶ谷に住んでたりもするのだけど。
ふと、横を見るとどこかで見た顔。はて。
すると、向こうもこちらに気づき、「ゆらじゃん」と声をかけてきたのはKくんだった。
高校時代の、甘酸っぱい思い出が蘇る。
当時、Kくんとは同じクラスで、席が3連続くらい隣になった。
小学生の頃の愛読書が「りぼん」だった私が、そこから『なにかが始まる』と期待してしまうのも想像に難くないだろう。
加えてKくんの思わせぶりな言動
「ゆらが取るなら俺も書道の授業取ろうかなー。一緒に取ろうぜ」
「ゆらのそういうところいいよね」などなど
当時から男っぽく、サッパリしていた私でさえキュンとくるのだから、普通の女子もKくんをほっとくわけがなくそれなりにおモテになっていた。
ただ、自分で言うのもあれだけど、私たち、けっこういい感じだったように思う。
だって、選択授業一緒に取ろうって!なんて思わせぶりなの?!
当時携帯電話を持っていなかった絶滅危惧種の私は、夏休みに入る前に、勇気を出して、ダメ元で告白しようと思っていた矢先
同じクラスでダンス部所属のミスコンに入賞しちゃうような女子に、放課後階段の踊り場に呼び出された。
なに?告白?
ドキドキしながらついていくといい出しにくそうに彼女は言った
「私、Kくんと付き合ってるんだよね…。それで…」
目の前がサーッと青くなっていくのを感じた。
勝手に仲良しだと思っていたKくんには彼女がいて、今、私はまさにクギを刺されてるのではありませんか。
「あ!そうなんだ。うん、大丈夫、なにも心配しないで」
だかなんだか言ったと思うけどよく覚えていない。
でも、すげぇこんな少女漫画みたいなことってあるんだね!というのはよく覚えている。
そう、Kくんとは私が告白することすら許されなかった「昔の男」なのだ。
そんなKくんと、こんな状況で10年ぶりくらいに会ったわけです。
せめてすっぴんじゃない時(年に数回)に会いたかった!
だってさ、今日はぴっぴにとことん付き合おうと思ってたからさ!(動きやすさ重視だったのさ)
そんな夏の日の思い出。去年の話なんだけど。まだ引きずってますよ
でもね、お互いもう30も過ぎていいおっさんとおばさんな訳で。
Kくんも前ほどの魅力や輝きはなかったのです。それはこちとら同じ。
むしろ高校時代からあんまり変わらない私の方が、これから実年齢を凌駕していくんじゃないかしら。
高校の最寄駅にお互い住んでるのだから、偶然出会う可能性は大いにあるわけで。これからはちょっと服装気にしよう。