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ゆらのとをわたるふなびと

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このブログのタイトル「yuranotoblog 」

まぁお気づきの人も多いと思いますが、百人一首の

「由良の門を渡る舟人かぢをたえ行方もしれぬ恋の道かな」

を文字ってつけました。

百人一首の中でこの句が1番好きで覚えたんだな。

だいたいみんな「秋の田の〜」を覚えるじゃない。でもそれ競合多いわけで。百人一首大会では男子とかに取られてしまうわけ。

後半の46番に出てくる「ゆらのと」は、ニッチで覚えてる人が少ないし(まぁ決まり字は2なので取られちゃうこともあるけど)

何より「行方も知らぬ恋の道かな」ってのが好き。

だいたい舟人が舟を漕ぐ道具をなくしちゃう時点でどうなのよ、とか思ってたけども。歳をとるにつれ、ああ、その心境わかるー!となり、人生ってそんなもんよねと思うところまできた。

だいたい人生なんて7割型自分ではどうしようもなくて、残り3割をあがいて何とかしてきた感がある私からすると、「行方も知らぬ恋の道かな」が不安よりも「もうあとはなるようになるしかないねー!」みたいな明るさを感じるw

先がわからない不安と、わからないがゆえのおもしろさ

古典は本当に面白い。もう何百年も前の言葉が案外自分の気持ちにしっくりくることがある。

大学では社会学や福祉を学んだけど、成績で言えば国語の方が俄然よかった(こんな文章力だけど)

仕事ではないだけに趣味が自分を引っ張り上げてくれることもあるな

さてそろそろ年末年始で「百人一首」の季節でもある。我が家も昨年ぴっぴが興味を持ったら面白いなと思って百人一首を買っておいた。まだ未開封だけど。

ぴっぴは3歳の時にお風呂で寿限無を覚えさせたら言えるようになって「よし、こりゃ『にほんごであそぼ』に投稿だ!」と意気込んでた矢先に母の病気がわかって結局お蔵入りしてしまった。

私も落語が好きなので、言葉遊びみたいに覚えてくれたらいいなー

落語と言えば百人一首の中に落語の題材になっているものもある。それが「ちはやふる」である

これは競技かるたの青春マンガでも題材になっているし、人気のある句なのでご存じの方も多かろう。

「ちはやふる かみよもきかず たつたがわ からくれなゐに みづくくるとは」 by在原業平

元の歌は「神代の時代にも聞いたことないぜ!赤い紅葉が水面にういて竜田川を絞り染めみたいにしてるよ!(めっちゃキレイ!)」みたいな内容なんだけど

この内容を知らない金さんと隠居が「竜田川さん(相撲取り)と千早さん(花魁)の恋の物語」に読み替えてしまう話になる。「千早振る。神代も聞かず竜田川。オカラをくれないから…」と続く

落語は掛け合いが面白いのだから詳しくは落語のサイトを見たりYouTubeで聞いてみたりしてほしいのだけど

元の百人一首を知っているだけで広がる趣味である。リンクで言えば歌を作った在原業平は時代きってのイケメン・プレイボーイで「伊勢物語」を書いた人だ。

「昔男ありけり。その男、身をえうなきものに〜」と続くアレである。(覚えさせられた〜)

もう一個、百人一首が題材になっている「崇徳院」と言うのもある。

これまた人気のある歌で

「せをはやみ いわにせかるる たきがわの われてもすえに あわんとぞおもう」by 崇徳院

これは川の流れを岩が分ちまた合流するさまのように、わたしたちも別れてもまた会うことでしょう、というまぁ恋の歌なのだけど。

この作者の崇徳院がすごい。「院」がついているので元天皇なんだけど、そんな地位など関係ないくらいに壮絶な人生で。弟に陥れられたり流刑になったり、最後には自分の舌を噛み切って、その血で恨み言を書いて怨霊になっちゃう。

地位なんかあってもろくなことないな…。姉妹仲良くてよかった…ていうかこの時代に生まれてよかったー!としみじみ思うのだった。

学生の頃は歴史が大っ嫌いで、年号も覚えられないし暗記は嫌いだったんだけど

大人になって「歴史の素地」があることで、こういう趣味に広がったり、教養として幅が広がったり

何より「巨人の肩の上に立つ」ことで同じ過ちを繰り返さず、より発展していけるんだよね。

今はたいていのことはネットで調べればわかってしまう世の中だけど、あえて古典とかゆったりとスローペースに身を置くのも良いのかもしれない

私たちが1日に受け取る情報量は平安時代の一生分、江戸時代の一年分と聞いて

日がな一日歌を詠む生活に憧れる私であるよ



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