姉がぴっぴにこぐま社の絵本を買ってくれまして
相当お気に入りになった。
「さよならさんかくまたきてしかく」ぴっぴが読むと、「さよならさんかくまたきてね、しかく」というなんとも可愛い感じになるのだけど、こちらの絵本嬉しい特典があったのだ。
それが、専用の応募ハガキで子どもの誕生日を記すと、誕生日の数日前に誕生日カードが届くというもの。
このご時世、そんな手間暇かかるものを…。ほんまに来るんかいなと思ってたら、キター
てっきり、いつもバースデーカードを送ってくれるばあばかと思った。
なんせ、宛名が全部ひらがなで来るんですもの。手書きなんですもの。嬉しいじゃあありませんか。この、なんでもパソコンでチョチョイとできてしまう世の中で。
それも結構きれいな、丁寧な字なの。そこでちょっと妄想してしまう私。
ーーここはこぐま社。新人として入社した私の仕事は、絵本を買ってくれた人が送ってくる誕生日カードの依頼に対して、宛名を書く仕事。
正直、そんなのパソコンでいいじゃん、めんどくさ!って思ってた。今日も誰かも知らない子どもへせっせと手書きで宛名を書いている。
手が疲れるし、最近は変な名前をつける親もいて正直書損じも出てる。こんなの書いて売り上げにつながるのかな。もっといい企画ないのかしら。
でも、入社うん10年のベテラン社員の谷さんが言ってた、「この手紙を毎年楽しみにしている子どももいるんだよ。そして、その子ども大きくなってまた自分の子どもにこの絵本を買ってやるんだ。
売り上げにはあまり貢献しないかもしれない。でも俺たちが売っているのはただの絵本じゃないんだ。夢なんだよ」
そう、私もかつて親にこぐま社の本を買ってもらった1人だった。
毎年届く手紙にワクワクしたし、一体誰が送ってくるんだろうと想像していたから、この手紙が「出版社」からだと知って正直がっくりきた。
だけど、社会人になって利益とかコスパとか考えるようになってこの手紙の存在の価値を改めて実感している。
売上だけ考えたら成立しない。もしかしたら夢やロマンなんだろう。
ただ、こうやって腱鞘炎になりながら書いてる新人がいるってこと誰かわかって〜!
みたいなね。ご苦労様です。
本当に、親からすると「誰でもない誰か」から手紙が来る、しかも誕生日あたりにって素敵だなぁと思います。
子どもはね、祝ってもらうの当たり前だと思ってますけど、たかが数百円の本を買って、手紙を送ってきてくれるっていうのはもはやサービスの域を超えているんじゃないかしらね。面白い。