母のがん

ステージⅣの子宮頸がん

投稿日:2021年4月30日 更新日:

13時に妹と交代して1時間経った頃、先生に呼ばれて面談した。お腹を開けたら思った以上に癌が進行していた。

転移していたのだ。いろいろ調べたけど、転移した時点でステージはⅣになる。だけど、先生に今は託すしかない。とにかくよろしくお願いします、と部屋を後にした。この状況を知らせなくては、と妹の携帯にかけた。泣いてはいけない。ただ事実だけを淡々と話し、当初の手術の予定より5時間ほどのびそうなことを伝えた。

姉はぴーすけの世話をしてくれていて電話には出られないだろう。でも、ぴっぴのお迎えに行ってもらうことをメールでお願いした。本当なら手術が終わって私が迎えに行こうとヘルメットを持ってきていたが、これを使うことはなさそうだった。

次に叔母に電話をしたが繋がらなかった。電話は諦めてメールをして折り返しをまった。そして夫。絶対に電話は取れないけれど声が聞きたかった。大丈夫じゃないけど大丈夫だよと言って欲しかった。電話は出なかったからできる限り端的になるべく早く帰ってきて欲しい旨を伝えた。

とりあえず今伝えるべき人には連絡をした。そう思ったら涙が止まらなくてとりあえず外へ出た。

市民病院のまわりは公園で、それに自然とつながるように花壇や芝生がしいてある。ちょっとしたベンチがいっぱいあるのだ。電話を待ちながら外で泣いた。いい天気だから外にいっぱい人がいたけど顔を伏せて泣いた。

伯母から電話がくる。泣いていたけどキリッとした声で応答した。でも先に伯母が泣いたからわたしも泣いた。そんなこんなで母の分の涙はこの日に使いきるくらいなにかにつけて泣いた。それでもしっかりしなきゃ、とガンサポートセンターで資料をもらいにいった。この後人工肛門とか家とか考えることは山ほどある。すると、部屋にいた看護師さんが声をかけてくれて話を聞いてくれた。

それでも腹は減るのでコンビニでチキンとデザートを買って食べた。外には高校生のイチャイチャカップルがいて、本来なら席を譲るところだが、今この空間が必要なのはわたしだと譲らなかった。

ぴっぴから電話がきた。今日の保育園の様子を教えてくれた。癒された。でもこの子の大きくなる姿を見せられないかと思うとまた涙が出た。少し風が出てきた。するとまた市民病院から電話がきた。

手術はまだ続いているが、手術後にICUに行くのでその待合室に来てほしいとのことだった。広い病棟の中、手術室のある階に行き、待合室を案内された。

窓はなく、8畳ほどの広さをパーテーションでわけてあるきれいな部屋であった。17時からはここで手術がおわるのを待った。

ここからまだ4時間も待つのかと思うと気が遠くなったが、ソファーも机もあり、トイレはすぐ部屋の外にあり快適であった。いつ呼ばれるかという緊張感と泣きすぎた疲労感が引っ張りあいをしている。

少しうとうとしてると、隣のブースに誰か通された。同じく手術待ちをしている人だった。ICUに預ける荷物を預けて帰っていった。

いっそ仮眠をとろうとソファーに横になった。ぴっぴをお迎えにいくつもりで持ってきたヘルメットが枕がわりになったが眠れなかった。

ほどなくしてまた違う家族が入ってきた。どうやら急性の病気らしい。一時間ほどいて手術が終わって帰っていった。次々に来ては帰る家族に医療従事者の方の苦労がかいまみえた。ひっきりなしだ。これにコロナも加わったらと思うとねる暇などほんとにない。

最終的に22時には誰もいなくなり電気も消えていた。また電話があり、最初の面談の部屋に呼ばれた。手術は無事に終わったらしい。

説明にもあったように、子宮とそのまわりだけでなく、S状結腸と直腸、尿管さらに膀胱、盲腸も取ったらしい。目に見えるがんは取った。あとは病理検査と抗がん剤治療か放射線治療。

「このあとICUにうつるときちょっと会えますよ」と言って先生は去っていった。朝から13時間、いろんな科と連携して手術をしてくれた先生。本当にありがたい。

23時すぎにようやく会えた母はいろんな機械につながれていた。意外にも意識はあって、気持ち悪いと言っていた。とにかくお疲れ様と声をかけた。

自転車で帰路についた



-母のがん

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