時代ではありますが、男性が家事をするのは当たり前。ことに夫が、となるとまだまだ遠慮をする人も多いと思う。
私もその1人で、当初は実家暮らしからの結婚で家事能力一切ゼロの夫になり代わり、家事の全てをになっていた。
でも、フルタイムで同じ仕事してるのに「なんで?」というのは拭えず、一人っ子で育った義実家に勝手に忖度していたように思う。
夫婦で育休中、本当は夫の家事スキルをアップさせたかったのに
結局「自分がやらなきゃ」という謎の縛りを発動して、洗濯は相変わらず率先してやってくれるものの、「料理」に関しては私の領域という感覚を強めるだけの結果に。
何度か家事分担についてブチギレし、エクセルで分担表を作成したりしたものの、結局自分でやった方が早いので、めんどくさいのもあって諦めた。
でも、料理とそれに伴う献立発案、そして買い物と1日3食のいろいろを担うのはちょっとね。1食でもやってくれりゃ助かるのである。
私が作った方が早いし美味しいのであろうが、それに甘えて何もやらないのどうなの?何事も練習しないと上手くならないでしょう?と結構嫌な言い方をしていたと思う。
ただ、人には本当に得意不得意というものがあって、私は片付けがさいっこうに嫌いで苦手。そのことについて夫は何も文句は言わないし(かと言って積極的にはやらないが)洗い物は黙々とやるし
こんな尖った性格の私に「怒る」とか嫌な感情を出したことは一度もないのであった。
第二子妊娠に伴って、いろんなことを手放す中でお弁当作りはストップ。
しかし、経済的な観点より「お弁当」はあったほうがいいので折衷案というか妥協案というか、お弁当のおかずは作っとくから自分で詰めてって方式になったのだった。
ブロッコリーを買っといて茹でて冷凍しといたり、煮込みハンバーグを作っておいてそれを冷凍しておくとか、冷凍食品を補充しておくとか、ご飯を多めに炊いといて冷凍しておくとか。
彼はそれをチンして詰めていく。
それでまぁうまいこと回っていたのだけど、先日ぴっぴとぴーすけが風邪を引いて
しばらく買い物に出られなかったので何も家にない、という日があった。
私もお世話でダウン気味だったのでその日は何か買って食べるよ、となったのだけど私も私で
「卵焼きが作れたらよかったのにね、卵はあるから」
と、余計な一言を言ってしまったのだった。
まぁ事実だけど、夫は作れないからな。でも卵焼きが作れればツナでもニラでも入れておかずが一品できたのだった。疲れて私も作れなかったけども。
次の日、夫は台所へ立った。いや、いつも立っているが忙しい朝に卵焼きを作ったのだった。
不恰好な卵焼き。それでもYouTubeやらレシピサイトを見て作った。
あちゃーもしかして怒りに火をつけちゃったのかしら。そう思って、さらりと美味しいね、とやり過ごした。
しかし夫は次の日も卵焼きを作った。その次の日も。おかずは買ってあるし、残り物だってあるのに、だ。
恐る恐るこのチャレンジについて尋ねてみると、
「確かに最初に言われてムッとしたけど、こうなると上手にできるまで作りたいんだよね」
というコメント。
そういうわけで、毎朝夫が作る卵焼き。
四等分して2個はお弁当に、残りの2個はぴっぴと私にくれるのだった。
ジャッジするわけではないけれど、毎日焦げ目がつくほど焼いてる卵。
ぴっぴは嬉しそうに「焦げてるねぇ!」
1日だけお手本で焼くのを見せてみた。
なんせ私は中学生から自分と姉のお弁当を作っている「お弁当作り」に関してはプロである。
卵焼きはめちゃくちゃうまいよ(自分でいうのもアレだけど)
すると、次の日格段に上手くなる夫の卵焼き。
まだチャレンジ始まって10日ほどなのにこのクオリティ。
私の20年はなんだったのだろう。いやーセンスあるやん。
料理はダメだと思っていたけれど、この人やってきてなかっただけで、結構鍛えれば美味しいもの作れるんじゃないかしら。
今までの責めるような言い方を反省し、これからは一緒に成長しようと固く誓う卵焼き。