くらし

私の海外旅行記〜初海外はフランス珍道中〜

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自分でも、なんでこんなに外国で暮らしたいのかよくわからんのだけど

やっぱり憧れというのはありましてな。

実家が超貧乏なのもあって、家族で海外に行くことはなかった(幼少期はそれなりにお金はあったらしいが)

大学の学費も奨学金とアルバイト代で自分で稼いでいたので、在学中はそんな余裕もなかったが

学費を払い終わった秋。友達と卒業旅行の話が出た

当時はね、感染症とかなかったので4年の冬とかに海外旅行するのが割と当たり前だった時代。

私は学費を払い終えて、それでも支給されたなけなしの奨学金を全投入してフランス旅行を画策した。

一緒に行くのは学部が一緒のAちゃん。彼女も初海外だが、第二外国語がフランス語ということで安心感があった。

何より、笑いのツボが一緒なので一緒に行くと楽しいだろうなーとは思っていた。

当時、JTBのパック旅行でガクタビというのがあって、学生向けに安いんだけどホテルとかは不便なところにある、というツアーに参加した

確か7日間で14万円くらい。サーチャージ込みで。ホテルと朝食はついているけど、あとはご自由にってやつ

初めての海外、しかも英語の通じないフランス。不安もあったけど、それより期待に胸高鳴る日々を今も思い出す

飛行機は直行便で、映画を見放題!のはずが、なんと不具合で映像見られず。

それでも行きはフランス語をもう一度確認したり、これから行く場所のるるぶを眺めたりして過ごした

私たちが泊まったホテルは、確かムードンというパリからはちょっと離れている場所にあって

その不便さが安さの理由なんだけど、電車に乗って出かけるのでさえ楽しみな私たちにはあんまり問題ではなかった

まずはルーブルを含める美術館の4日間フリー切符を買って、ルーブル美術館、オランジェリー美術館、オルセー美術館を巡る。到底1日では見れないので、2日間我々は通った。

私は絵が好きで、ジョルジュ・ド・ラトゥールという画家の絵を見たかったのだ。高校の時の選択美術で模写をして、これがルーブル美術館にあることを知っていた

ついに本物を見る日が来るのだ!

モナリザや他にも美術の資料集でお馴染みの作品をどんどん見て、お目当てのラトゥールを探したが見つからない。

なんと、このタイミングでいくつかの作品が日本に搬送されていたのだった!!!

間抜けもいいところである。がっくり肩を落とした私にAちゃんはドンマイ、と半笑いである。まぁ彼女が見たがったフェルメールも一緒に日本だけどね!!

他にもやりたいことが盛りだくさんである。

  • パリの凱旋門に登る
  • パリのカフェでお茶する
  • アンジェリーナでモンブランを食べる
  • ベルサイユ宮殿に行く
  • エッフェル塔に登る
  • モンサンミッシェルに行く
  • ルーブル美術館に行く
  • オルセー美術館に行く
  • オランジェリー美術館に行く
  • ビストロで夕飯を食べる
  • ラメゾンドゥショコラでチョコレートケーキを食べたい
  • ラデュレでマカロン買いたい
  • ノートルダムの鐘を見たい

これだけ挙げてみても、とにかく賞味5日間でこれをこなすのは無理である。でも私たちはやってのけた。

とにかく美術館を2日でまわり、エッフェル塔と凱旋門はまとめて行った気がする。

ベルサイユ宮殿は、幸いにもホテルの方面だったので、一日そっちに割いた

ベルサイユ条約を結んだ有名な鏡の間で記念撮影もしたなぁ

こうやって詰め込んでいると、時間的に優先度が低いものは変な時間になる。例えば、アンジェリーナというお店でモンブランを食べたい、と言ったのは私だけど

どう時間をやりくりしても、朝しか行けないのだ。とにかくカフェだから朝には開店しているので、とりあえず行こう!そしてモンブランを注文したんだけど

こんな朝早くにモンブランを食べる客がいないのだろう。出てきたモンブランは凍っていたw

季節は冬である。2月のフランスで、朝イチにモンブランを食べた女ということでフランス史に残る

そういえば、2月のパリの冬空のもと、外のカフェでお茶するというミッションもこなした

まぁ実際には寒すぎて、店内のカフェに入ったのだけど

そこで注文したフルーツタルトがめっちゃ固くて

しかも、そこについてきたのがスプーンだったワケさ。

ん?なんかこの組み合わせおかしくね?と思いつつ

まぁこれがパリ流なのね、と一生懸命スプーンで硬いタルト層を分断しようと力を込めた、その刹那

スプーンが曲がってな…。それを見たAちゃんと

「ユリゲラーや!スプーン曲がってる!」と大爆笑していたら

隣の素敵マダムがそれ見て大爆笑。

そして、マダムが店員さんに言ってすごいゴツいナイフとフォークを持ってきてくれたのだった

あれだね。笑いは言語を超えるんだね、なんて学んだ2人だったんだ。10年以上経った今でもその光景を思い出すと笑える。

基本私たちは全然フランス語は喋れなくて「メルシーボクー(ありがとう)」「ウィ(はい)」「ノン(いいえ)」「ディスタシオン、シルブプレ(お会計お願いします)」

基本この辺りで乗り切っていた

困ったのが、ハムを買いに行った時だ。

毎朝、ホテルでフランスパンとフルーツの缶詰にヨーグルトが出るんだけど、三日も続くと飽きてきて「ハムなんかあるといいね」という話になった

でもAちゃんが結構デリケートで、「フランスのハム食べたいけど、お腹壊すかもしれん」と危惧していた

実際、シャンゼリゼ通りで腹痛を発動し、近くのマックに駆け込んでいたのだった

じゃあ、ハムの中でも火が通っているやつがいいね。生ハムじゃないやつにしよう、と。

スーパーでハムを物色するんだけど、結局どれがお腹に安全なのか分からず、店員さんに聞く。

「えっと、火が通ってるって、burn(バーン)だよね」

「エクスキューズミー、アイウォンチュバイ、バーンハム」と英語ではなしかける。

しかしここはフランス、おじさんは英語で話されても、という顔だ。

「えっと、バーン!こう、火がぶぉおおおー」と身振り手振りでハムを燃やす

「レア、ノー。お腹こわす!おっおー」と身振り手振りでお腹を下す、の図をやり出す

ますます「?」の顔をするおじさん。

「ダメだ、フランス語で火で焼くってなんだ?クルか。クル、ハム!クルハム!!」

フランス語を交えても全然伝わらず、ついにおじさんはバックヤードに引っ込んでしまった

そして、クルクル言ってるヤベェ日本人が来たぞ、と奥から若い子を連れてきた

どうやらフランスでは若い子は英語が話せるらしい。

結果、一生懸命英語で伝えても、結局伝わらなかった。

それでもご迷惑をおかけしたので、ハムは買って帰った。1番安全そうなやつを。美味しかった。

そもそもハムに火が通っているものってあるのか?と気づいたのは日本に帰ってからだった

宿もいろいろあって、とにかく初日は駅と逆向きのバスに乗っちゃったり

一緒の日本人グループがうっかり席取りに置いといた鞄を盗まれて、パスポート取られてたり

ビストロから帰ってくる時、バスを間違えて暗い夜道を2人で抱き合いながら歩いて帰ったり

怖い体験もたくさんした

不便さや恐怖が2人の絆を深めてくれたところはある

あとは、私が多分話しかけられやすい顔をしているのだろう(どんなだ)

フランスで二度ほどおじさまに声をかけられた

1人目はルーブル美術館のサモトラケのニケの像の前で。

日本人だとわかったのだろう、コンニチワーと話しかけられ英語でしばらく話した後に、ポトフが美味しい店を紹介してくれた。

モンマルトルの丘でちょっと遠かったので遠慮したが、あのイケオジはご馳走してくれる気だったなぁ

さらに凱旋門でもおじさまがフランス語でめっちゃ話しかけてきた。

フランス語だからよくわからないけど、ナポレオンの話と、要は家がすぐそこだから一緒にお茶しようと

なるほど。私はフランスのおじさんにモテる顔なのね。

いや、実はおじさんというか外国人に親しみをもたれる顔なのかもしれない。

帰りの飛行機で、Aちゃんと通路を挟んで席が分かれてしまったのだった。お隣に座ったのは金髪のおばさん。

このおばさま、フランスから日本で乗り換えしてオーストラリアに帰る途中らしい。

ちょっと目があって一言二言交わしたと思ったら

その後、8時間ずーーーーーーーーーーーーーーっとこのおばちゃんとおしゃべりするハメになった

とにかく機内食が出てくりゃ、「このパンにはバターとジャムをたっぷり塗ると美味しいのよ、ほら塗ったから食べて!」って感じのおばちゃんで

今となってはほとんど思い出せないが、自分の子ども(多分私と同じくらい)のこととか、オーストラリアの暮らしとかなぜフランスに行ってたかとか

そのあたりのことをずっとしゃべてて、こっちもこっちで色々面白くて聞いてしまったのだけど

最後は住所と電話番号まで渡されて、「遊びにきてね!」って感じでお別れした

家に帰るまでが遠足、なんていうけど

とにかく帰るまでもが刺激的で楽しかった初海外。有金叩いて行って本当に良かった、私の原点とも言える旅なのであった。



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