このところ、次男坊が調子に乗っている。
言葉をぼちぼち話すようになってきたけども、こっちの話していることはほとんど理解している。
会話?のような阿吽の呼吸がわかるようで、兄弟で仲睦まじい姿を見せる反面
些細なことで喧嘩も起こる。
主張の激しさは長男(ぴっぴ)の比ではなく、己の欲望のままに主張する。
子の成長は親にとって嬉しいものであるが、その割を食うのがぴっぴである。
ぴっぴは長男らしく、誰かに痛い目にあわされたことがない。周りは大人ばかりだし、同じ歳のころの子どもたちは殴ってはこない。
だがしかし、ぴーすけは殴ってくる。しかもグーパンチで。奴は自分の主張が通らないと殴るのだ。
これは「言葉が喋れないので、もどかしいから手が出る」というのもあるが、まぁたいていは何も考えずに、急にグーパンチをお見舞いしてくるのだ。
そして、そんな理不尽な目にあったことのないぴっぴは、ただただびっくりして泣くのであった。
これまでぴっぴは「何かあれば大人に言えば助けてくれる」ということを教えてきた。例えば、保育園で何か嫌なことがあったら、とりあえず先生に伝えなさい、と。
やられてもやり返しちゃダメだよ、それは同じレベルになっちゃうよ、と正論を伝えてきた。
しかしながら、ぴーすけのように言ってもわからん奴が急に殴ってきた時にも、ぴっぴは泣いて親に訴えてくるのだ。
それに対して私や夫はぴーすけに、とつとつと「にいにはぶったら痛いんだよ。泣いてるよ。」と説いても
殴るその手を捕まえて「ぶっちゃダメ!!」と強い語気で叱っても、首を横にぶんぶん振るだけなのだ。
なんなら笑いながら「あーんぱーんち」と殴るトリッキーなぴーすけである。
こんな奴に、言葉で説明して何がわかるというのだろうか。毎度やられるぴっぴと、叱られてもやめないぴーすけ。これは、今こそ「兄弟喧嘩」が必要な時である。
思えば、ぴっぴがこれくらいの時、よそのうちの子の顔を引っ掻いてしまいヒヤヒヤしたものである。
その度に万引きGメンのように手を捕まえて「ダメ!」と叱っていた。段々と落ち着いたぴっぴはそのうち手を出すことも無くなったけど
今ぴーすけのターゲットは完全にぴっぴである。
ある日の夕方も、ぴっぴとぴーすけは楽しく遊んでいたところからおもちゃの取り合いになり、ぴーすけが思いっきりグーパンチを仕掛けてきた。そしてまたぴっぴは泣いてパパに自分の被害を訴えていた。夫はぴーすけに「ダメよ」と教えている。
私はそっとぴっぴに言った。「やり返しちゃえ!」「ただし首とか頭とかはダメ。ケガしないように」
ぴっぴは、グーパンチに対してカウンターで猫パンチをする。今まで決してやり返さなかったぴっぴのパンチに驚くぴーすけ。
でも、さすがというか2番目、これで怯まずさらにやり返す。それに対してまたも猫パンチをお見舞いするぴっぴ
夫は「またそんなこと言って!」と顔に書いてある。しかし二人の行く末を見守ることにした。
やり返しながらも手加減をするぴっぴ、なんやかんや力では叶わないぴーすけ。いつもはやられっぱなしのぴっぴもやり返すことで多少ストレスを発散しているようであった。最後は力負けしたぴーすけが泣いて終了。
果たしてこれが正しいことなのかはわからないけど
一つ言えることは、やられっぱなしでやり返さないと、相手はどんどん調子に乗る。これは大人の世界でもそうなのだ。相手が優しく接してくれるならそのように、強く出るならトコトンやったるで!
ぴーすけは「殴られることの痛み」を知らなきゃならんし
ぴっぴは「いざという時は自分の身を守る」強さを持たなきゃならん
そういう意味で、「手加減」を知る兄弟喧嘩は我が家には必須なのであった。